183系 特急「北近畿」号 ~こうのとりの先祖~

1986年11月1日、福知山線の 宝塚 - 福知山 間が 電化され、
全線電化が完成したのに合わせて、新大阪・大阪 - 福知山・
城崎を結ぶ、エル特急「北近畿」号が 運転を開始しました。

運用車両は、走行ルートが全て直流電化区間であることから、
485系 を 183系 に 改造した車両が充当されました。

▼大阪駅に停車中の エル特急「北近畿」
北近畿_大阪駅
▲見た目はどう見ても 485系 ですね・・

485系から改造された183系は、交流機器を完全に撤去した
700・800番台グループと、交流機器を搭載したまま使用停
止措置のみとした200番台グループがありました。

▼この列車は 183系? 485系? ・・
ORC_北近畿
183系に改造された車両は、側面窓下に細い赤色ラインが
追加され、外観からも区別がつくようになりました。
(一部に例外もあったようです)

▼初代トレインマーク
ORC_北近畿_TM
▲北近畿が走る地は、コウノトリの生息地として有名であっ
 たことから 
トレインマーク にも 大きく描かれていました


JR西日本さん と 京都丹後鉄道さんによる、近畿地方北部の
特急ネットワークの愛称「北近畿ビッグXネットワーク」に
基づいて、1996年3月16日のダイヤ改正からトレインマーク
のデザインが、一新されることになりました。

▼北近畿ビッグXネットワーク 運転系統図
北近畿ビッグXネットワーク
▲2010年3月13日現在 
(出典:Wikipedia)

▼2代目のトレインマーク
 福知山を交点とした路線ネットワークがデザイン化され、
 北近畿が走るルートが「黄色」で示されていました。

北近畿TM_2代目
(画像元:愛称別トレインマーク事典

黄色を適用したのは、JR宝塚線・福知山線のラインカラーに
ちなんでいるそうです。

初代デザインにあった「コウノトリ」が消えてしまったこと
に、地元が反応を示し、ネットワークを形成している列車の
整理の際、地元自治体などからの強い要望を受けて「北近畿」
の愛称が消滅、この区間を走る列車は「こうのとり」となっ
たのでした。
北近畿&こうのとり HM
(画像元:愛称別トレインマーク事典

トレインマーク自体がなくなってしまった現在、列車名にそ
の名を召し上げた「地元の勝利」といったところでしょうか。


          *  *  *


現在、特急「こうのとり」には、JR西日本さんが誕生させた
新型車両が華々しく活躍しておりますが、地元の大空を舞う
人工飼育で誕生したコウノトリは、我々人間社会との共存環
境においては、難儀している実態があるようです・・。
NHK WEB特集「コウノトリはつらいよ」
特急「こうのとり」が走っている地で、何がおきているのか、
興味のある方は覗いてみてください。→NHK公式 WEB特集


183系 特急「北近畿」号 ~こうのとりの先祖~
おわり