高二の EF62 と 高二の おみやげ

終焉期には、仲間の半数が山から降りて、下関へ移って
いったロクニ。

そんな彼らの「本来の居場所」での記録を。

■碓氷峠
▼EF63 と手を繋いで 今はなき鉄路を行く ロクニ
EF62_横軽
▲与えられた「本来の使命」を 全うする姿
 ロクニの居場所は、正しくここですね
(丸山変電所跡付近の右カーブを行く姿を客レ車内から)

 
 ロクニの12号機と35号機が、ロクサン2両と共に、碓氷
 峠で命を落とすという苦い過去がありますが、これ以降、
 更なる安全設備の強化が図られたのでした。


▼28号機(?) 横川機関区にて
EF62_横川
▲1964年以降に製造された第二次量産グループ
 (機番は いまいち不鮮明で、間違っているかも知れません)

 3軸の DT124形台車 が ロクニ の特徴ですね。
 横圧を軽減させるために、輪軸を 6~25mm 横動できる
 ようになっていた他、力行中の空転の発生を抑えるため、
 進行方向前方から見て
  第1軸と第4軸は 61%
  第2軸と第5軸は 78%
  第3軸と第6軸は 100%
 となるように、主電動機の電流を制限していました。


▼1号機 オレンジカード
ORC_EF62-1
▲1962年に製造された先行試作車

 側面エアーフィルターのルーバーは2枚1組・計8枚の横型
 で目が粗いタイプでした。
 側面の屋根肩部に明かり取りの窓が開いていません。


▼17号機  高崎第二機関区にて
EF62_高崎
▲1963年に製造された第一次量産グループ
 先行試作車、一次車、二次車で、微妙な違いがあります


 昔の国鉄の現場は、アポなしで訪れても、こんな記録を
 させてもらえる、おおらかな時代がありました。

 時には、職員さんの方から招き入れて頂く場面に遭遇す
 る事もありましたが、今では考えられないことですね・・。
 大変ありがとうございました。


■高二のおみやげ
 高二では、見学者用に作られた「区の概要」という、
 手作りの資料まで、おみやげ に いただきました。

 区の略歴の他、お守りをしている電機の概要が形式ごとに
 綴られています。パソコンはおろか、まだワープロも普及
 していない時代の「手書き」の資料です。(1979年12月版)

 保管していた原本の劣化が、かなり進んでおりましたので、
 これを機会に、電子化いたしましたので、ご覧ください。 


▼高二で頂戴した「区の概要」(わら半紙3枚 全6頁)
高崎第二機関区 説明資料_0001
高崎第二機関区 説明資料_0002
高崎第二機関区 説明資料_0003
高崎第二機関区 説明資料_0004
高崎第二機関区 説明資料_0005
高崎第二機関区 説明資料_0006
一番最後に書かれたロクニの欄には、高性能となった代わり
に「保守の面では難点がある」と書かれています。

お守りをする現場ならではの 本音 が、ここにはありました。


          *  *  *


■ロクニ に 会いに行く
 横川機関区跡に出来た「碓氷峠鉄道文化むら」で ロクニ
 に会うことができます。

▼1号機
EF62_横川文化村
▲保存時に、登場時のぶどう色に戻されました
 (菱形の構図で撮影したため四隅が欠けてます)
 
 開園当初は、ヘッドマークによる飾りつけもなく、
 パンタもたたまれたままでした。


▼54号機
EF62_54 横川文化村
▲建屋に保存されている ロクニ の ラストナンバー車
 晩年の姿を見ることができます

 最後まで残った3両の中の1両で、碓氷峠廃止後も横川
 からの EF63 疎開回送牽引などに活躍しました。 



※ロクニ関連の過去記事:篠ノ井のEF62 は こちら


高二の EF62 と 高二の おみやげ
おわり