旅客会社さんが所有する貨車

国鉄分割民営化の際、貨車でありながら JR貨物 さんに継承
されず、旅客会社さんに継承された貨車がありました。

皆さまご存知の、砕石(バラスト)散布用ホッパ車です。

■在来線用
▼ホキ800形
ホキ800
▲EF81+ワフ+ホキ~ の記録(国鉄時代)

JR発足時は全ての旅客会社に継承されましたが、現在まで
生き残っているのは、JR東日本さん と JR西日本さん のみ
となりました。

一般貨車の形式を名乗っていますが、一般荷主の荷を相手
にすることはなく、実態は「事業用」の車両であります。

バラストの散布機能は、軌道の内側・外側・遠近の3方向
に操作ができる構造で、散布作業は効率的にこなせる一方
で、防音対策がないため、鉄板上を勢いよく転げ落ちる砕
石の音は、けたたましく「騒音」も まき散らしています・・。


■新幹線用
▼931形
931-79
▲新幹線用に製造されたホッパ車

同じ構造の貨車は、在来線のみならず、標準軌仕様とした、
新幹線のバラスト散布車「931形」(登場時は 3000形)が
在籍していました。形式は「事業用車」の分類となりました。

▼JR東海さんの保守用車カラーをまとった 931形
931-56
▲JR東海さんでは後に車籍を抹消し「機械扱い」とされました


■私鉄線用
 私鉄さんでも、自社発注車や国鉄(JR)からの譲渡車を所有
 されている会社さんが複数あります。

▼一例:
伊豆箱根鉄道さん ホキ800形(ホキ802)
ホキ802_伊豆箱根
▲国鉄清算事業団 ホキ1775~ホキ1778を譲り受けたうちの
 1両で、ホキ801~804に改番、形式の横に社紋が付きます


■ホッパ車の保存車に会いに行く
 栃木県那須烏山市にある「那珂川清流鉄道保存会」さまにて
 ホキ700形 と 800形 の 動態保存車に会うことができます。

 ▼ホキ700形
  →ホキ708

 ▼ホキ800形
  →ホキ1382

 ※入園については、保存会さまへ最新情報をご確認ください。

 
          *  *  *


在来線、新幹線、私鉄線、いずれの路線でも目にする機会が
あったことから、モデルの世界でも、違和感なく入線させる
ことができる貨車であります。

ホキ800形のNモデルは、Tomixさんから2両セットが販売さ
れていますが、外観上の肝となる、ハンドル、エアータンク、
台座、レバー、車番プレートなどは、ユーザー取り付けの別
パーツとなっておりますので、購入両数分、これらの組み立
てを、覚悟しておく必要があります・・。

独自の小加工を加えて、車番プレートを931-XXの 番号だけ
にすれば「新幹線用」に、私鉄さんの社紋を貼り付ければ、
私有貨車に変身でき、オリジナル貨車の雰囲気を、最大限に
引き出せます。


旅客会社さんが所有する貨車
おわり