のびゆく日本の鉄道模型ショウ ’79 から

今年の8月も、残り3日となりました。
学生時代は、夏休みの宿題そっちのけで遊び呆けていた
ため、残っていた課題を慌てて捌く「魔の3日間」でし
かなかったです・・。

特に自由研究は、最後の最後まで全く手をつけておらず、
毎回 やっつけ で かたずけていました。

宿題格闘
そこで今回は、一昔 ? 前の自由研究をやっつけるつもりで、
夏の風物詩「元祖・鉄道模型ショウ」で貰った「下敷き」
に焦点をあて、その観察と考察などを自由研究っぽく綴って、
懐かしみたいと思います。

※考察は小生の勝手な主観と感想です

           *  *  *

■全体の観察

鉄道模型ショウの元祖となる、
「明日へのホビーNゲージ/のびゆく日本の鉄道模型ショウ」
は、1979年の 8月 から開催されました。

主催は「日本Nゲージ鉄道模型工業会」。
後援は「日本国有鉄道」。

数年前まで「松屋銀座」さんで、毎年夏に開催されていた、
「鉄道模型ショウ」のルーツであります。

■1979年の開催場所
・第1回:東京千代田区「科学技術館」
・第2回:大阪港区「交通科学館」

鉄道模型は「科学」の分野なんですか?と思いつつ・・。

当時のショウの様子は、その昔、KATOさんが発行された、
初代 KATOニュース Vol.2 に掲載されていますので、そち
らを お読みになってください。


▼「のびゆく日本の鉄道模型ショウ」
第1回のポスター
第1回のびゆく日本の鉄道模型ショウ
▲開催期間は 金、土、日 の わずか3日間だけでしたが、
 入場無料だったのが、夏休みの嬉しいイベントでした。


小生が東京の「科学技術館」に行ったときに、記念品として、
ポスターと同じ絵柄の「下敷き」をいただきました。

当時は全く気にしていませんでしたが、印刷内容を見返して見
ると、大阪・交通科学館での第2回の開催案内が書かれていま
した。「日本の鉄道模型ショウ」の文字も、ポスターでは黄色
で書かれていましたが、下敷きでは 白抜き になっています。

▼第2回 を告知した 記念品の下敷き
第2回のびゆく日本の鉄道模型ショウ
▲「第2回を大阪でも開催しますよ」の告知版を東京で配って
 いた、ということになりますね・・

車両の画は直感ですが、昔 KATO さんが一時期作っておられた
「トレインシール」の描写に似ているような気がします。



■個別の観察

この下敷きに描かれた「鉄顔」を、細かく観察してみました。
その中で明らかに「単純な間違い」があることも発見しました。

▼制作の観察
 右下には小さく「制作・日本Nゲージ鉄道模型工業会 1979
 KATO」とありますね。
第2回のびゆく日本の鉄道模型ショウ2
>考察
 当時のNゲージメーカーの王様は KATOさんですから、
 パイオニアの会社が主導したということでしょうか。
 やはり「トレインシール」との関りが、ありそうな気が
 してきました。


▼車種分布の観察
 全24種
 ▼内訳
 ・機関車  9種(SL 2種、DL 1種、EL 6種)
 ・気動車  4種(特急 1種、急行 1種、一般 2種)
 ・電 車 11種(特急 3種、急行 1種、近郊 1種、
          通勤 3種、旧国 2種、荷物 1種)

            ※特急に新幹線を含む。

>考察
 おおむね、この当時に製品化されている車種が描かれてい
 るものの、まだ製品化されていない車種もあり、メーカー
 サイドからは、今後の製品化に期待を持たせ、我々ユーザ
 側も、新たな製品化に期待を寄せることになり、双方の思
 惑が、今後の模型人口の拡充に繋がっていったと感じます。


▼機関車の機番の観察
・D51  ・・形式なし・機番なし
・C62  ・・形式なし・機番なし
・DD51・・形式なし・機番なし
・ED42・・1(に見えます)
・EF57・・形式なし・機番なし
・EF58・・118 
・ED75・・2
・EF81・・91(に見えます)
・EF65・・形式なし・機番なし

>考察
 EF58 は「118」と機番まで書かれています。
 →切り文字埋め込みタイプ
第2回のびゆく日本の鉄道模型ショウ7
  EF81 は ハッキリと300番台と判るステンレス車体で描か
 れていますが、機番は不鮮明に濁した描写になっています。
 →ナンバープレートタイプ
第2回のびゆく日本の鉄道模型ショウ6
 この例のように、大きく分類すると「切り文字埋め込みタ
 イプ」と「ナンバープレートタイプ」に大別することがで
 き、一部に例外はありますが、前者は、形式・番号を描き、
 後者は、プレート部だけを描く、とされたといったところ
 でしょうか。


▼気動車 と 電車 の 方向幕の観察
・キハ58  「急行」・・ちゃんと赤文字になってます
・153系「大垣」・・大垣夜行のイメージでしょうか 
・キハ35  「●● - ●●」・・特定なしで区間表示をイメージし
             運転席側にプレートを付けてます
・113系「普通」・・地域を特定せずノーマル表示に
・営団5000「西船橋」・・東西線と言えば「西船橋」か
・201系 「無」 ・・あえて特定しなかったのは何故に
・72系   「川崎」・・南部線のイメージでしょうか
・クモユニ74「荷」 ・・実車表記のまんまがお似合いです
・103系 「大宮」・・北行を採用。南行にしなかった背景は

>考察
 関東寄りの表記に偏っていますが、東京に本社を構える
 KATOさんのご製作ですから、仕方ないですかね・・

 行先表示について、奥深く考えると、西船橋=千葉県、
 川崎=神奈川県、大宮=埼玉県と、一応、東京の近隣県
 を網羅させた、ということにも思えてきます。

 単純に制作に関わった方々の生活圏や、なじみのある地
 名を選んだだけかもしれません。

>課題
 ただ キハ35 が掲げるプレートは 勉強不足でわかりません。
 見覚えがある方がいらっしゃいましたら、ご教示ください。
第2回のびゆく日本の鉄道模型ショウ5

▼優等列車のトレインマークの観察
・80系「急」・・急行のマークでしょうか
・キハ82「無」・・特定なし
・583系「はつかり」・・スリッド型タイフォンは 581?
・485系「さざなみ」・・画と形式、列車名共にアンマッチ
・EF65「はやぶさ」・・数あるブルトレからの選考理由は?

>考察
 キハ82は、トレインマークの大きさが、文字を書き込む余裕
 がなさそうなので、無地としたのではと推測されます。
 他車は、かろうじて書き込める大きさがあったことから、
 北は「青森」から、西は「西鹿児島」まで網羅する「はつ
 かり」と「はやぶさ」を選ばれたのでしょうか・・。

 そんな中、一番人気があると思われる485系 が、とんでも
 ない間違いで描かれています。

>「単純な間違い」があるのは こちらです▼
第2回のびゆく日本の鉄道模型ショウ4
これを485系と言い切るとは、なんともおおらかな時代です。

列車名が「ひばり」などだったら、画側の誤りとなりますが、
「さざなみ」と書かれると 485系 という表記側の誤りかと。
「間違い探し」には 打ってつけ の材料ですが・・。


▼連結器の観察
・車種ごとに装備する「自連」「密連」が、ちゃんと実車別
 に忠実に描かれているのは お見事です。

>疑問
 そんな中、なぜか キハ58 だけが「アーノルドカプラー」で
 描かれているのは、どういった背景があってのことでしょ
 うか、一番気になった部分です。
第2回のびゆく日本の鉄道模型ショウ3
以上、いろいろと好き勝手なことを述べさせていただきまし
たが、貰った当初はこんな細かいことは一切気にせず、当時
の図鑑でも、これだけの車種を一堂に並べたものは見たこと
はなかったので、見て、貰って、楽しい、一品でありました。

このポスターの企画から作成まで、実際に携わった方々の
制作エピソードなどが紐解かれたら、また別の楽しさが加
わることは、間違いありません。


          *  *  *


▼鉄道模型ショウ の 開催場所の動き
>1981年 第3回:科学技術館
第3回 全日本鉄道模型ショウ
▲呼称も「全日本鉄道模型ショウ」へ

>1982年 第4回:松屋銀座
第4回 全日本鉄道模型ショウ
▲松屋銀座 での 記念すべき 第1回目

▼「夏のイベント」を感じさせる シンプルデザインセンス が
 ピカイチの 1984年 第6回 の 大好きなチケット
第6回 全日本鉄道模型ショウ_1984
▲第10回までは「全日本」がつく呼称を用いていました
 「後援:日本国有鉄道」の表記も、時代を物語りますね


夏の風物詩であった「松屋銀座」の「鉄道模型ショウ」が幕を
閉じたことで、一つの時代に終止符が打たれたと感じました。

鉄道模型の益々の発展を祈念し「乾杯」!


のびゆく日本の鉄道模型ショウ '79 から
おわり