Nゲージ・レイアウト探訪 「海に一番近い駅」
 ~今は もう秋 誰も いない海~

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■まえがき
前回のレイアウト探訪では、河川を渡った対岸地域の散策を
予告しておりましたが、そのレイアウト自体が解体の運命を
辿ったことから、今回より心機一転、通算6代目となる、新
たなレイアウトにて探訪を再開いたします。

今回は5代目のレイアウトからそのまま移植した、海岸線に
ある無人駅周辺を巡ります。よって見覚えのある情景が出現
する場面もあろうかと思いますが、以下、レイアウトの住人
になった体で、妄想劇場を開幕いたします。
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■本編・妄想劇場
海に一番近い駅 と その周辺」
暑さもようやく和らいだ秋晴れの日。海水浴客で賑わってい
た「海に一番近い駅」へ、潮風にあたりながら夏の名残を求
めて、チャリ鉄でちょっと立ち寄ってみることにしました。

▼線路より高い位置を通る幹線国道をひた走り、途中脇道に
 逸れて、海側の線路に平行する狭い道
に進路をとります
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▲目の前には青空とその眼下に日本海が広がる地点ですが、
 前方の国鉄トラックにずっと視界を阻まれてしまいました

この道から、更に海岸寄りの小道にチャリを進めること10分、
ようやく海と線路を眼下に拝めるお立ち台に到着しました。

▼お立ち台から「海に一番近い駅」を 見下ろした場面
海辺の無人駅_01
▲屋根が一切ないプラットホームと、小ぶりの駅舎が備わり、
 
青大将色に似た塗装の駅舎の屋根は周囲に調和しています

このあたりには日影がなく、直射日光が降り注ぐことから、
真夏の
猛暑日には、チャリではとても訪問はできませんが、
今日は気温も丁度良く、波の音と潮風が大変心地よいです。

周辺には民家が点在していますが、海風をモロに受けるため
各民家の海側には、お手製の葦簀(ヨシズ)を立てかけてい
るおうちが目立ちました。景色のよいところは自然環境とも
戦う必要があるということを実感する風景でした。

▼駅舎背後の絶壁に建つお宅の屋根には、強風対策でしょう
 か、大きな石が幾つも載せられていました(落石ではない)海辺の無人駅_02
▲このお宅からの眺めは「鉄」にとっては最高でしょうね!

辿った小道は、駅舎背後の山をグルリと回り込む山道ですが、
一応道には、小石がゴロつく簡易的なコンクリートの舗装が
施されており、車は通れませんが駅への近道として、地元の
方が人力で切り開き、生活道として使われている様子でした。

▼山道を下っていく途中で、先ほど上から見えた屋根に石が
 載っているお宅と駅舎が一緒に見えたのでここで記念撮影
海辺の無人駅_03
撮影時、丁度コンテナを満載した貨物列車が通過しました
 駅周辺は起伏が激しい地形で、駅舎が建っている場所は、
 お山の一部を切り取って敷地を確保したような感じです。

クネクネ・ジグザクの小道を降ると、ほどなく駅前広場?に
辿り着きました。駅舎はプラットホームと同じ高さにあるた
め、降り立った道路とは高低差があり、駅の入口までは短い
上り坂になっていました。
海辺の無人駅_04
駅舎の入口横には、やたらと種類が豊富な大き目な自販機が
デーンと鎮座していました。なんでも海水浴シーズンには、
とんでもない売り上げを稼ぐそうですが、シーズン以外には
需要があるのか、余計な心配をしてしまいました・・

▼跨線橋の窓から ホーム側の駅舎の容姿を眺めます
海辺の無人駅_05
▲駅舎手前角に水色のアクセントがある以外、なんの飾り付
 けつけもない "コンクリート打ちっぱなし" の 造作ですが、
 このあっさりとした感じも、またいいものです


駅舎の中には作り付けのベンチと、奥には "ポットン便所"が
ありました。
この駅は無人駅なので何度でもフリーで出入り
ができますので、早速中に入って海側のホームへ向かいます。

▼プラットホームと同レベルにある
海側を向く駅舎の表情
海辺の無人駅_09
駅の出入口にはそれぞれ扉がありましたが、訪れた時は開け
放たれた状態で、潮風が通り抜ける解放感満点の環境でした。

右の扉が閉まっているところは、業務用の区画となっており、
扉の窓にはカーテンがひかれ目隠しされていましたが、隙間
から中をチラ見した
感じでは、赤いランプが灯る配電盤のよ
うな設備と、保線区さんが使っている用具が並んでいました。
また、扉横の出っ張りには、ウグイス色の板が打ち付けられ、
その右隣には「鉄道電話」が据え付けられていました。

列車接近の自動アナウンスが流れたので、待ち構えていたら、
新潟2次色の
115系 2両編成の普通列車が到着しました。

▼クーラー・ブロアー・コンプレッサーの音が賑やかです
海辺の無人駅_06
▲お昼を過ぎた時間帯、この駅での乗降客はゼロでした・・

ホーム先端から、海岸の砂浜に降り立つことができそうだっ
たので歩を進めてみたところ、あっという間に到達しました。
正に「海に一番近い駅」です。

▼今年は9月まで真夏日が続いたため、海の家は先月末まで
 営業していたそうで、まだ撤収されずに残っていました
海辺の無人駅_07
▲さすがに海岸には人の姿はなく、空っぽになった海の家と
 共に、夏の終わりを感じさせる情景が広がっておりました

▼傍らにはフル稼働した貸ボートが甲羅干しされていました
海辺の無人駅_10
砂浜背後の築堤上に、新カヌ色 の485系 新潟行 特急<北越>
が、颯爽と駆け抜けていきました。

海辺の無人駅_11
▲反対側に目を向けると、トンネルが口を開けていました

トンネル側に向けて砂浜を歩くと、海に注ぐ川の河口があり
ました。地元の方に伺った話によると、なんとこの川には、
毎年11月頃になると、鮭の遡上が見られるそうです。

川の流れに手を入れてみると、思った以上に、かなり冷たい
清流で、この川の中では一足先に季節が進んでいるようです。
そういえば、先ほど辿ってきた山道には「クマ出没注意!」
の看板がありました・・冬眠を前にここの鮭を食べにやって
くるのかと脳裏を過ると、背筋がザワザワしました・・
海辺の無人駅_12
▲鮭が遡上する川の上を、今度は大阪行きの 特急<雷鳥>が
 通り
過ぎていきました

鮭は生まれた川の匂いが分かるそうですが、ここで生まれた
鮭は電車の音や振動も記憶に刷り込まれているのでしょうか。
お魚売り場では、紅鮭、白鮭、銀鮭など、さまざまな呼び名
で売られていますが、この川に遡上してくる鮭には「鉄鮭」
と名付けたいところです。

手前に架かる木造の太鼓橋は「遊歩道」で、現在列車が走る
線路が複線化される前に使われていた「旧線跡地」を利用し
ているとのことで、太鼓橋の橋台は、旧線時代からのものだ
そうです。せっかくなので、ちょっと遊歩道へ行ってみるこ
とにします。

▼旧線は 今より海岸寄りを通っていたことがわかります
海辺の無人駅_13
旧線は非電化だったため、奥に見えるレンガ造りの古いトン
ネルは、背が低い規格で構築されているのがわかりますね。
旧線のトンネルは、現在どこまで歩けるのか判りませんが、
とりあえず安全が確保できる範囲で、潜って探検することに
いたしましょう。
海辺の無人駅_14
山の向こう側には、線路が更に海岸に近づくエリアが広がっ
ています。この続きは、次回以降のお楽しみということで、
今回はこの場所で締めくくりたいと思います。

妄想物語にお付き合いいただき、ありがとうございました。


         *  *  *

■あとがき
今回散策した「海に一番近い駅モジュール」は、信越本線・
青海川駅をモデルとして、欲しい情景をデフォルメ・凝縮の
うえ、イメージ重視で構築してみたものです。

▼下の写真はモデル化の参考にした実景の寄せ集めです
実景_青海川駅周辺
主なストラクチャーは市販品を利用していますが、トンネル
ポータルはイメージに合うものがなかったため自作しました。
また駅舎も、現在の駅舎より一世代前に実在した建屋をプロ
トタイプとして、ボール紙ベースでフルスクラッチにて挑戦
してみた自作です。

本線上にある「無人駅」の情景が欲しかった事もあり、この
モジュールにて採用した次第です。


Nゲージ・レイアウト探訪 「海に一番近い駅」
 ~今は もう秋 誰も いない海~
つづく