717系 900番台 ~九州の異端児となった近郊形電車~

国鉄最後の年である 1986年度に登場した 717系 電車です。
この系列は 0・100番台 と 200・900番台 の グループが
あり、
前者は仙台地区、後者は九州地区に投入されました。

▼九州に投入された717系の異端児 900番台車
717系-900
▲中央に 両開きドア が 追加され 近郊形電車 となった姿

九州に投入された 900番台だけは車体新製は行われず、種車
の457系の車体が流用された上に3扉化されたため、見た目
は他の番台車とは全く異なる姿となりました。


▼両端2箇所の片開きドアと新設された中央の両開きドアと
 の組み合わせが目を引きます
717系-900_UP
▲まだ 横サボ が 使われ 方向幕 が ない時代の姿

900番台車以外は、同時期に誕生した 413系と同様に、足回
りは急行形電車のものを流用し、車体のみ
713系をベースと
して
新製されていることから、とても同一形式には 見えませ
ん。この 900番台車のボックス席にありつけた時は、急行列
車時代を感じることができました。


--(もけい鉄 雑談)--------------------------------------------------------
この900番台のモデルは製品化されていないことから、切り継ぎ加工により
ご製作されている方々がおられますね。個人的には一番安価にスッキリ工作
できそうなのは、KATOさんのクモハ457とモハ456をベースに 中央の両開
きドアは キハ47 から移植する、という手法がよさげでした。
実車の世界では、費用削減のために既存車両の有効活用を図った訳ですが、
モデルの世界では、新車の完成品を1両購入するより高くつきますね・・
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財政難の中で、知恵を絞って生まれた 900番台車 ですが、
その後、同じ改造工程を歩む仲間達が、増備されることは
ありませんでした。
ただ3扉の仕様は、乗降のスムーズさには貢献し、以後JR
九州さんが開発する後続車81X系シリーズ には、その思想
が脈々と引き継がれています。


717系 900番台 ~九州の異端児となった近郊形電車~

おわり