「シュプール蔵王」号 ~旅行センターからの贈り物~

国鉄末期に、
スキーヤーをターゲットとした、従来のいわ
ゆるスキー
臨と呼ばれる列車とは異なる戦術が展開され、
「シュプール号」という列車群を仕立て上げて、北海道・
四国を除く全国の主要都市からゲレンデのある各方面へ、
スキー専用列車の
運転が開始されました。

▼シュプール号の一つ「シュプール蔵王」
(オレカ写真のズーム)
ORC_583_シュプール蔵王_UP
▲スキーヤーの歓声が聞こえそうな白銀の中を行く583系

有名な主要スキー場への最寄り駅へ向けて、幾つかの列車が
設定されましたが、個人的に色濃く記憶に残る列車は、上野
口の急行列車「ざおう」の名を使った「シュプール蔵王」号。

▼蔵王名物 "樹氷" にスキーヤーと583系が描かれたオレカ
ORC_583_シュプール蔵王_1
挿絵の583系は何気に クハネ581 の 容姿で描かれてます

運転当初は「横浜駅」を始終着駅とし、川崎・品川・新宿
を経由して、東北本線~奥羽本線板谷峠を超えて、山形駅
までの間を、往復運転されていました。
山形口では、米沢駅・山形駅とスキー場との間にシュプー
ルバスが連絡し便宜を図りました。

運用車両は583系の他、スーパーエクスプレス レインボー
による「シュプール レインボー蔵王」も運転されました。


▼樹氷をバックに2種類の車両がデザインされたオレカ
ORC_583_シュプール蔵王_3
▲「JR AKITA」の 表記 が 目新しいオレカです

横浜発の列車は、新宿駅で上越・白馬方面のシュプール号へ
接続するダイヤで、赤羽 - 山形間は、上野発着で運転される
「レインボー蔵王」に続行するスジが、引かれていました。

▼1987年の運転区間と時刻
JR編集時刻表1987年12月号
  (出典:交通新聞社 JR時刻表1987.12)

小生はJRになってから「シュプール蔵王、上越、信越、
白馬」の各列車に乗車する機会があったのですが、いずれ
乗車目的は、もちろん「スキー」・・ではありません。

4人の ”のり鉄” & ”とり鉄” 仲間と一緒に乗車したのでした。

▼奥羽本線記念オレカに採用された 583系 シュプール蔵王

ORC_583_シュプール蔵王_2
■旅行センターからの贈り物
 シュプール号を絡めた旅行企画商品の購入に旅行センター
 へ足を運んだのですが、当時のJR東日本さんは、上越新幹
 線のガーラ湯沢の開業を契機に、「JR ski ski」の キャッ
 チフレーズで、スキー客の利用促進に力を入れていた時代。

▼昔の 販促ポスター と 丸の内車掌区 の オレカ
JR ski ski ポスタ
スキー列車を選択するお客様は、Welcome 状態で、企画商
品の購入時に プレゼントとして、シュプール号を宣伝した
「トランプ」を 頂戴いたしました。

▼旅行センターで頂戴した おまけ の JR ski ski  トランプ
JR ski ski トランプ
▲紙製外ケース+プラ製内ケースに収納された綺麗な一品

移動の列車内でグループでトランプをお楽しみください、
といったところでしょうか・・。
JOKER2枚+白紙カード1枚を含む 計55枚 入りでした。

全カードの裏面 と 外ケース に 印刷されている写真
JR ski ski トランプ_裏面
▲ポスターやTVCMにも使われていたと記憶してます
 残念ながら「鉄」モードのデザインは皆無でした・・

▼外ケースの側面に書かれたシュプール号の宣伝コピー
JR ski ski トランプ_ケース
▲我々は「夜出発、朝から乗れる、撮れる」という列車に・・

せっかくなので、シュプール号に乗る時は、頂いたトランプ
をカバンの中に忍ばせて、旅先でお泊りする宿で、仲間たち
と「ババ抜き」を行ったのでした。
今の若い人たちはトランプで遊ぶことはあるのでしょうか・・。

プレゼントにはトランプ以外にも JR ski ski と書かれた、
小物入れなどもあったようです。


▼第2の人生を送る715系と出会った583系シュプール蔵王
ORC_583_シュプール蔵王_715
▲両者は何を語り合ったことでしょう・・
(オレカ写真のズーム)

一世風靡したシュプール号ですが、高速道路網の成熟と共に、
スキー場までダイレクトにアクセスできるスキーバスツアー
や自家用車での利用が拡大し、スキー列車の利用客は次第に
薄れていき、更には、スキー人口そのものが減少していった
時代背景もあって、
シュプール号の運転も時代と共に消滅の
運命を辿ったのでした。
583_蔵王_マウスパッド
▲(出典:赤い電車さん <受注生産マウスパッド>)
JR ski ski ポスタ 30

「シュプール蔵王」号 ~旅行センターからの贈り物~
おわり